社長の給料は沢山取っても、半分は残る

「社長の給料は沢山取っても、半分は残る」

【闘う商売人税理士森田茂伸のもりもりわかる税の話(NBCラジオ)】2022年11月07日公開分

「中小零細企業」の会社資金の管理について

今日は中小企業の中でも特に小規模な「中小零細企業」の経営者が、自身の報酬と会社資金の管理についてどのように考えるべきかを解説します。

多くの中小企業経営者は、企業として利益を出し、それを自己資本として蓄えることで経営基盤を強化し、安定した経営を目指すべきだと考えています。たしかに「黒字経営」は重要ですが、それ以上に注目すべきなのが「資金の流動性」です。

中小零細企業は、資金に余裕がない場合が多く、災害や取引先の倒産など予期せぬリスクが発生した際に、会社を救済する余裕がありません。こうしたリスクに備えるには、経営者自身が個人で資金を蓄えておくことが非常に重要です。

そのためには、社長ができる限り報酬を受け取り、個人として資金を保有しておく必要があります。そして、万が一の際には、会社に対して迅速に資金を投入できる体制を整えておくことが求められます。

ただし、役員報酬を高く設定しても、それを無駄遣いしてしまっては意味がありません。大切なのは、税負担を抑えつつ、例えば生命保険などを活用して外部に資産を蓄えることです。これにより、会社の帳簿上には現れない形で、資金を備えておくことが可能になります。

社長個人の資金管理能力をた高め、企業の安定経営を

中小零細企業においては、社長の意思決定ひとつで会社の資金運用が決まるケースがほとんどです。したがって、社長個人の資金管理能力を高めることが、企業の安定経営には不可欠です。

なお、役員報酬を多く設定すると税率も高くなりますが、仮に報酬が1億円を超えた場合でも、税引後に約5,000万円は手元に残る計算になります。つまり、「半分は税金に消えても、半分は確実に残る」という視点を持つことが重要です。

利益よりも資金の確保を優先する考え方は、将来のリスクに備えるという意味で非常に合理的です。会社に利益を残すことも必要ですが、それ以上に「使える資金」をどこにどれだけ確保しておくかを常に意識したいところです。

神戸・西宮・芦屋の税理士事務所

Posted by harukayokoyama